世界一周 かなの旅風日和

気持ちの良い風が吹いたら 風に身を任せたり、時に逆らったり、 のんびり旅にでる。 そんな旅風に吹かれた日々の記録。

【ソンクル湖】キルギスで一番感動した場所

今回の記事は、キルギスの中でも最も感動した
遊牧民訪問についてです。

自然というよりは、そこで暮らす人たちの生活を垣間見て、
大変興味深かったです。


◎2017年9月7日~8日
中央アジアに行きたいと思った一番の理由は、大草原をみたい!
遊牧民の暮らしを感じたい!と思ったから。

現在も夏の間は遊牧生活をしている人たちが、
ソンクル湖周辺にいると南旅館の方に教えてもらい、早速行ってみることにした。
(9月中旬くらいまでは湖に滞在しているかと思います。)


直接、ソンクル湖に向かう方法もあったけど、
今回はコチクルという町で一泊し、翌朝向かうことに。


コチクルの民泊滞在の翌朝、バザール前でタクシー運転手を振り切り、
ナルン行きのバンに乗る。

合言葉は「パパロットナソンクル」
これは、ソンクルの分岐点という意味。

タクシー運転手にソンクルに行きたいことがばれると厄介だったので、
(ソンクルはタクシーじゃないと行けないとしつこいから…)
バンの運転手にだけそっと伝えた。

そのため、かなり手前で降りるにも関わらず、
ナルン行きの値段と同じだけ請求された。でも、それでもタクシーで行くより遥かに安い…。

地元の方たちと乗り合わせて、いざ車は進む。

噂に聞いていた通り、コチクルはなかなか客引きがしつこい町だった。

そして、あっという間にソンクルの分岐点へ。本当に何もないところで降ろされた。


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乗り合わせていたおばさんが手を振ってくれた。
私は、ガッツポーズをして応える!頑張るね!の意思表示。
そう、ここからはヒッチハイクでソンクル湖を目指すのだ。50KMほどの道のり。

ヒッチハイクやターミナルのタクシー以外にも、
コチクルからCBTというツアー会社等を利用して車とユルタ宿泊の手配することも可能だが、
今後中央アジアではヒッチハイクをすることが増えると思い、勇気を出してやってみることにした。

本当に、その時はドキドキと心臓が高鳴ったのを覚えてる。

携帯の電波も通じないし、車も全然走っていない荒野のど真ん中。

しかし、その心配はすぐさま解消された。

なんと!一台目がすぐに止まったのだ。
しかも、これからツアー客を迎えに行く旅行会社に雇われたタクシー。

ヒッチハイクとはいえ、有料が当たり前の中央アジア。交渉して、妥当な値段で行くことに。

そこからソンクル湖までの景色も絶景。
ただ9月頭だったので、山の景色が緑からすこし枯れたような色になっていたのが非常に残念。


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2時間ほど車を走らせて、遊牧民が暮らすユルタの集落にたどり着いた。
お客さんを迎えに来た車だったので、
そのまま迎えに来たお客さんと入れ違いの形で宿泊を交渉した。


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400ソムとお土産のチョコパイ200ソムで夕飯と朝ごはん付き。

チョコパイはFさんに手土産があったら安くなると聞いたので、実践してみた。(笑)
実際、ちょっと安くなったのもあるんですが、手土産にやたら喜んでくれたのでそれが嬉しかった。


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(チョコパイを早速食べてくれるお母さん)

ユルタの集落は、観光化されている面も大きく、
先ほど紹介したCBTと契約した観光用ユルタなんかもいくつか立っていた。

ただ、遊牧民の人が、観光客を受け入れて生活を賄おうとしている姿も
それはそれで現実の姿で私にとっては興味深かった。



コチクルのユルタと同様に、お菓子セットやはちみつ、ジャムとチャイでもてなしをしてもらった。
やっぱりこのおもてなしは旅人にとって本当に嬉しいものだな…。


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(夕方、村の若者たちがやってきて一緒にチャイタイム)

一人、湖を散策。
湖はこれといって特別美しくはなかったのだけど、峠を越えて広がる盆地と湖の秘境感が良かった。

しばらくすると、息子がどこからともなく現れた。
彼は30歳で「ニャーニャー」(子供のことっぽい。)二人いるらしい。

乗馬しないか(もちろん有料)と言われ、安かったので乗ることにした。
本当にすることがなかったのもあり。

馬に乗ったら、一人いくらという値段で、息子が乗馬するのは別料金だと言い始める息子。
なんと!?
そんなこと言われたら一人で馬に乗ってやると思い、いらないと私は答えた。

乗馬なんてほぼ初めてだったけど、さっき欧米のツーリストがすごいはやさで馬に乗っているところを見たので強気な私。

しかし、私の乗った馬鹿馬は、ちっとも進まない。
どんなに鞭をたたいてもびくともしない。

その様子に笑う息子。しかし、不思議なものでその息子さん、嫌な感じがしないんだなぁ。
素直な少年のよう。いたずらっぽい笑顔で、本当に一人でいいの?みたいな動作をしてくる。
私はそれに笑ってしまって、結局彼にガイドしてもらうことにした。

お馬さん、あんなに動かなかったのに、息子が別の馬に乗って、先導したら、すぐ進み始めた…。

馬に乗って、草原を進む。
誰もいない。
湖の波の音。


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それだけで、楽しかった。

途中、一時間の約束が過ぎそうだったので、もう戻ろうということを伝えたら、
湖の景色の良い近くまで行くと息子が言った。

ああ、こうしてまた料金を多めに請求されるのかと、やきもきしていた私。
結局1時間半くらいは乗馬。

しかし、終わってから時間延長については、触れられなかった。
素直に、私を景色の良いところまで連れていきたかったようだ。

その人と宿泊したユルタのお母さんと、隣のユルタのお母さんとその孫二人。
それくらいしか交流していないんだけど、
なんとなくすれていない感じ、印象を抱いて、気持ちが良かった。

夜は、みんなでごはんを食べた。
私が寒いのもあって、息子とお母さんがいるユルタにずっといて昼寝とかしてたから
お母さんがこっちのユルタで寝る?
って聞いてきた。

本来、旅人用の別ユルタがあるんだけどね。

おそらく、そっちのユルタの暖房を私のためだけに用意するのが
勿体なかったからだと思う。
私としては普段使われてるユルタに宿泊したほうが
面白そうだったからもちろんOKと答えた。


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川の字(正確にはコの字)で寝ることになった。

キルギスって誘拐婚の文化があるイメージが強かったから、
(未婚の女性を誘拐して、男と一晩過ごすことで無理やり結婚させること)
んん?これって私翌朝にはお嫁さん?って真剣に怯えたりもしたけど
もちろん大丈夫だった。笑

夜に、隣のユルタの家族がやってきて、一緒にイスラムのお祈りが始まった。
男性は毛布を利用した壁?の中で何かを唱えていて、顔を隠す必要性があるようだった。
隣のユルタの家族は、娘ちゃんが二人。

実は、昼間に草原を散策したときに二人とは会っていて、「写真撮ってもいい?」
ってジェスチャーしたらお姉ちゃんに「ノーフォト」って叫ばれていた。
なんだかその感じに南米を思い出して、ちょっとおかしかったけど、
私も図々しく「じゃあ遊ぼうよ」って二人の中に割り込んでいった。

南米も相当、カメラ向けると怒るんだけど
この二人はどちらかというとなんだかおませな感じで、
私たちを気軽に撮らないでって感じで
なんだか憎めなかったのだ。

遊んでる中で、SNOWという日本の若者に人気の撮影アプリを起動して
カメラを向けてみた。

それはカメラを向けると、勝手に顔に反応して犬の耳だったり、お花がぽんぽんと顔の周りに表示されたりするアプリだ。

二人とも、大はしゃぎで、あんなに警戒してたのに
「撮って、撮ってー」
というリアクション。

大変に可愛かった。

そして、このお祈りの最中に妹ちゃんが、飽きたようで私に近づいてきた。
(ちなみにお祈りの時間は1時間近く続いた。)

携帯を指さして、SNOWで遊びたいようだったが、
すぐにお母さんに怒られていた。

その様子もたいへん可愛かった。
お祈りの後、SNOWではなくお絵かきをして遊んだ。
その時に二人の似顔絵を漫画風に描いたらまたもや
「NO」って叫んでたお姉ちゃんが、おかしかった。

肖像権にはうるさいので、顔を隠して一枚。お絵かきタイム。


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夜は、ぐっすり眠れました。

翌朝、草原とユルタと朝日、大地を走る馬。
すべてがとっても美しく、心が浄化されるようだった。


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帰りのことが心配だったので、早々と家を出て、
路上でヒッチハイクをした。

しかし、車はなかなか通らない。
通る車を待つのではなく、車に直接交渉に行くことにして
ジープの停まっているユルタを尋ねた。

車の運転手に「コチクルまで」と言うと、自分ではなく、ジープを予約したツーリストに聞くように言われる。
そりゃあそうだと納得して、ドイツ人の女性二人組にお願いした。
オフコース」ということだった。

良かったと胸をなでおろすと、ドイツ人の女性二人が宿泊した遊牧民のユルタのそばで
羊の解体を行っていた。


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私は興味津々でそれを見つめた。
小さな子供もそれを見つめていた。無垢な感じ。

解体も無駄がなく、外側を切り、内臓がさっと零れ落ちる姿が印象的だった。

草原の朝の空気に、よく合っていた。

そのまま、二人と一緒に私はジープに乗ってソンクル湖を去った。

この一泊二日で、遊牧民の暮らしの何が分かったというのか。
答えは、ほとんど何も、だ。
ただ、そこに暮らしている人の姿が美しくみえた。

私は部外者で、よそ者だから、目新しく見えて、その文化が美しく見えているだけなのかも知れない。
たぶん、そうだ。

でも、そういう自分の生きてきた社会とは違うものを垣間見れる瞬間は、旅をして本当に面白いと感じる一つだ。
そういう旅をここで出来たなと、胸いっぱいだ。
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